長期留学を予定している人は、帰国後の就職活動で周囲に遅れをとる可能性があることを認識しておくことが大切です。
そうならないためにも、留学前から就職活動のことを考え、準備を始めておきましょう。
また、優良企業の内定を獲得できる外国人留学生のための就職イベント「ボスカリ」に参加し、貴重な経験を体験してください。
留学経験は就活で有利?意味ない?

大学生になると、講義を受けて単位を取得するだけではなく、サークル活動やアルバイトなど、毎日が新しい刺激に満ちています。
さらに、長期留学を選択した場合、帰国後はすでに就職活動の真っ最中で、取り残されてしまうこともあります。
しかし、留学中に得たさまざまな経験は、社会人になってからも貴重な財産になるはずです。留学経験を効果的にアピールし、希望する企業への内定を目指しましょう。
就活における留学の主なメリット
外国語ができる人材を求めているのは、グローバル企業だけではありません。
日本語がなくてもコミュニケーションが取れる、異文化の中で生活できるなど、貴重な財産を持つ人材を必要としている企業も少なくありません。
外国人留学生の特別採用枠を設けている企業もありますので、就活の際にはよく調べておきましょう。
就活における留学のデメリット
留学したことで企業側のハードルが上がり、「あなたは当然英語ができる」と思われてしまうというデメリットもあります。
しかし、留学しても現地の人とコミュニケーションが取れず、あまり語学力が伸びなかったという人も少なくありません。
また、交換留学などの長期留学の場合、帰国したときにはすでに就職活動が始まっていることもあります。
企業によってはすでに選考が始まっている場合もあり、予定より遅れていることに不安を感じるかもしれません。
就職活動に遅れをとったと思っても、チャンスはまだ残されています。TOEICや英検など企業側にアピールできる資格を取得したり、留学生向けの就活イベントに参加したりと、積極的に行動しましょう。
留学経験を効果的にアピールする方法・例文

留学を企業にアピールするためには、語学力だけでなく、留学でしか得られない経験を含むエピソードや実績をアピールすることが非常に効果的です。そのため、留学前から留学の準備をしておくことが望ましいです。
語学力の証明
留学前と留学後で、TOEICや英検のスコアがどれくらい上がったかを示すことができれば、真剣に語学に取り組んだことへの証明になります。語学力は使っていないと低下してしまうこともありますので、帰国後はすぐに受けることをおすすめします。
異文化に触れて成長した体験
留学先では、日本では当たり前だったことが通用しなかったり、異国の文化に驚かされる場面も多々あります。異文化に触れて感じたことや、コミュニケーションを通して自分自身が成長したと感じたこと、問題を解決できた体験談をうまくアピールに活用しましょう。短くてもいいので日記をつけ、その日の出来事や自分の感じたことを書き留めておくのも、自分自身の成長を客観的に感じ取る良い方法です。また、留学先での特別な経験を意識して得るために、具体的な留学の目的を掲げておきましょう。
例文:ディベートやプレゼンが中心の授業形態だった為、最初はとても戸惑いました。みんな積極的に発言しており、刺激をうけました。調べたことを自分なりの言葉でまとめ、英語でわかりやすく簡潔に伝える力がついたと感じています。
海外大生の就活の場合

海外の大学には、日本の大学のようなキャリアセンターがないところが多くあります。そのため、学生にとっては、相談する場所がなかったり、いつから始めればいいのかわからず、戸惑うこともあります。そのため、積極的に、早くから活動を開始することが大切です。
海外大生の就活の注意点
海外の大学生から最も多く聞かれるのは、3年生になっても就職活動の情報がなかなか得られないということです。
日本の大学とは卒業時期が異なるため、海外大学生や留学生の就職活動の年間スケジュールをしっかりと把握し、チャンスを逃さないようにしましょう。
また、一時帰国して行う日本の就職活動は、海外のイベントとは異なり、企業を理解する機会でもあります。限られた時間を有効に使えるよう、事前にしっかりと計画を立てましょう。
海外大生の就活スケジュール
自己分析をしながら、キャリアフォーラムへの参加を主軸に、積極的に就活を進めましょう。
3年 | 6月~ | 自己分析・企業研究・ES準備 夏インターン応募開始OB/OG訪問 企業分析 |
4年 | 9月~ | 本選考応募開始 |
11月 | ボストンキャリアフォーラム | |
12月 | 東京キャリアフォーラム | |
4月 | ロンドンキャリアフォーラム春夏選考 |
留学経験者・海外大生の就活といえばボスキャリ

ボストンキャリアフォーラムは、約200社が参加する世界最大級の日英バイリンガルのための就職イベントです。
多くの参加企業がある一方で、このイベントには5,000人以上の就職活動中の学生が参加しています。参加する学生の多くは、海外留学や海外の大学への留学経験があり、ある程度の英語力があるバイリンガルがほとんどです。
英語が当たり前のように話せる」人の中から選ばれることを意識して、自分の強みをアピールしていきましょう。
ボスキャリとは
ボストンキャリアフォーラムは、通称「ボスカリ」と呼ばれる世界最大規模の外国人留学生向け就職イベントです。毎年11月に3日間、ボストンで開催されます。
東京、京都、ロンドン、ロサンゼルスでも開催されているが、発祥の地であるボストンでのキャリアフォーラムが、参加企業数、参加者数ともに最大です。
世界的なパンデミックの影響で、2020年、2021年はオンラインで開催されました。しかし、2022年度からは現地での開催を再開しています。
2022年のボスキャリについて
2022年のキャリアフォーラムの日程および開催地域です。
出典:キャリアフォーラム | CFN(CareerForum.Net)
開催地区 | 会場 | 日程 |
ボストン | 会場:Hynes Convention Center住所:900 Boylston St, Boston, MA 02115 | 2022年11月4日~6日 |
東京 | 会場:東京ビッグサイト ⻄3ホール住所:東京都江東区有明3-11-1 | 2022年12月7日 |
ロンドン | 会場:Olympia West Level One住所:West Hall, Olympia London, Hammersmith Road, London W14 8UX | 2023年4月8日~9日 |
ロサンジェルス | 未定 | 2023年4月22日~23日 |
参加条件
公式サイトでの参加条件の提示は以下の通りです。
(引用)
出典:ボストンキャリアフォーラム イベント情報 | CFN (CareerForum.Net)
日本語力、英語力共に少なくとも初級レベルをお持ちの方で以下のいずれかの条件を満たす方:
- 日本国外の大学の学士又はそれ以上(修士、博士等)の学位をお持ちの方、又は取得予定の方
- 留学経験をお持ちの方で日本の大学の学士以上の学位をお持ち(取得予定)の方
- 留学経験をお持ちの職務経験者や海外での職務経験をお持ちの方
TOEICスコアや英検取得などの明確な規定はなく、留学経験のある大学生もしくは社会人で、日本語および英語でコミュニケーションが取れる方ならだれでも参加可能ということなので、怖がらずに参加してみましょう。
参加方法
- 参加登録
キャリアフォーラム | CFN(CareerForum.Net)より、行きたい都市を選択し、参加登録をします。 - 事前応募
参加企業の一覧をチェックして、気になる企業が「応募受付中」であれば、事前応募しておきましょう。書類審査ではレジュメの提出や、企業によってはWEBテストが必要になりますので、早めに準備しておくことをおすすめします。 - キャリアフォーラムへ参加。当日の会場受付は混雑するため、CFNアプリの事前ダウンロードを推奨しています。
ボスキャリ参加のメリット
短期間での内定チャンス
ボスキャリで注目されているメリットはイベント中に内定が出ることです。ボスキャリでは、会社説明を受けるだけでなく、その場で面接を受けられます。イベント中に内定に進むことも可能です。
多くの大手企業にエントリーできる
外資系など有名企業も多く参加し、200社以上の企業が参加する就職説明会です。つまり、積極的に応募すれば、非常に多くの企業に応募ができます。内定を得られなくても、人事担当者から名刺をもらうチャンスがあります。
インターンシップへ参加できる場合も
ボスキャリに就業体験をさせるために、インターンシップを実施する企業もあります。インターンシップに参加することで、内定につながる場合もあります。
帰国後の就活へ向けた実践練習
期間中に内定を得られなくても、人事担当者や業界関係者と話をし、面接で感じたことは貴重な体験となるでしょう。得られた経験や反省は、今後の就職活動に生かすことができます。
他の参加者とのコミュニケーション
ボスキャリには、高学歴の学生や海外の大学で活躍する学生が多く通っています。
また、海外での経験をもとに、グローバルに活躍する意欲を持つ人も少なくありません。
同じ目標を持つ仲間との出会いは、これからの人生において貴重な財産になることでしょう。
ボスキャリ参加の注意点
渡航とホテルの手配は早めに
ボストンの現地に行くためには旅費や宿泊費が必要となります。羽田からボストンまでの往復航空券は約20万〜30万円で、宿泊費などと合わせるとかなりの出費となります。また、ボスキャリが近づくと周辺のホテルは満室になることが多いので、航空券やホテルは余裕を持って手配しましょう。
CFNアプリは事前にダウンロード
当日の受付の混雑を避けるため、キャリアフォーラム会場への入場はCFNアプリケーションを利用しましょう。スムーズな入場のために、事前にアプリケーションをダウンロードされることをお勧めします。
ボスキャリ参加の流れ:事前応募とウォークイン
ボスキャリ当日、会場には、企業説明会ブースとウォークインブースが用意されています。事前登録ができなかった企業にも、ウォークインでエントリーすることが可能です。
パターン1:事前応募
- 参加登録
キャリアフォーラム | CFN(CareerForum.Net)より、行きたい都市を選択し、参加登録をします。 - 事前応募
参加企業の一覧を見ることができるので、気になる企業が「応募受付中」であれば、事前応募しておきましょう。 - 書類審査
レジュメ(履歴書)を準備、提出します。Webテストを行う企業もあります。※レジュメとは、履歴書や職務経歴書のようなものですが、履歴書のように決まった書き方というのはありません。経歴と一緒に、自分がこれまでのチームにおいて貢献したことなど、アピールしたい内容を盛り込みましょう。 - 面接審査
書類審査通過後、Skypeなどでオンライン面接をします。企業により、複数回面接を行う場合もあります。面接での質問は一般の就活とあまり差はありませんが、留学の動機や留学で得た経験などの質問には、志望動機と絡めて答えられる準備をしておきましょう。 - ボストンキャリアフォーラム当日
会場にて企業担当者との対面での面接。食事会(ディナー)まで進めば、内定まであと一歩といわれています。
パターン2:ウォークイン(当日エントリー)
- 参加登録
キャリアフォーラム | CFN(CareerForum.Net)より、行きたい都市を選択し、参加登録をします。 - ボスキャリ当日にウォークインで応募、レジュメを提出します。
- 書類審査を通過したら、面接審査へと進みます。
- 面接審査を経て食事会(ディナー)まで進められれば、内定まであと一歩といわれています。
事前応募が圧倒的有利!
一見すると、ウォークインエントリーの方が事前登録よりも簡単で良いように見えるかもしれません。しかし、イベント期間中に内定を獲得できる確率は、実は事前登録の方がはるかに高いです。
ウォークインで履歴書を提出してエントリーしても、書類選考で落ちれば面接に進むことはできません。
また、企業側もウォークインに対応しつつ、事前応募の方と面接を進めているため、気になる企業があれば、ウォークインに参加する前に事前応募しておくとよいでしょう。
ただし、ウォークインで内定が取れないというわけではありません。チャンスを逃さず、競争に打ち勝つ」精神で、3日間、時間を空けずにできるだけ多くの企業にエントリーするように心がけましょう。
食事会への参加は内定まであと一歩!
ボスキャリの面接後に食事会に招待された場合、これは “最終選考 “と考えてください。事前に食事を軽く済ませておき、採用担当者と対話し、適切な質疑応答ができるように準備しておくとよいでしょう。また、食事会にはスーツを着用していきましょう。
英語力だけではない、あなただけの強みをアピール!
ボスキャリや外国人留学生向けの就活イベントに参加する中で、英語力は他社との差別化要素にはなりません。
それよりも、留学経験で身につけた英語以外の強みをアピールすることに注力しましょう。
例えば、現地の人とスムーズにコミュニケーションが取れる異文化への柔軟性や、留学先でチームの中でリーダーシップを発揮したことなどをアピールするとよいでしょう。
内定率アップの必需品!
- 予備のレジュメ
飛び込みで入社を考えている会社に合わせた履歴書を用意する。さらに、予備のレジュメを多めに用意しておく。
- タイムテーブル
- 3日間というタイトな期間に無駄な時間を過ごさないために、詳細なスケジュールを立て、すぐに見られるようにしておく。そうすることで、時間を有効に使うことができます。
- 携帯食
- 携帯用のミールプランナーがあるとよいでしょう。携帯食を用意しておくことで、食事会でうまく交流できるようになります。
まとめ
海外の大学に通う学生や留学経験のある学生は、外資系を含むグローバル企業に対して大きな期待を抱いていることが多い。
そのため、就職活動では大きなアドバンテージとなります。
ボスキャリでは、通常では書類選考を通らないような大手企業から内定をもらうチャンスがあります。
しかし、内定を得るためには、多くの外国人留学生の中から、いかに採用候補者にアピールできるかが重要です。たとえ留学経験がなくても、企業が採用したくなるような「強み」を持っていることが大切です。